電波時計レピータ(開発中)

ビル等の建物内で、標準電波が遮断されて受信が難しい場所でも、

電波時計へ 正確な時間を提供する製品です。

GPSから時刻を入手し、子機から標準電波を出力して時刻合わせを行います。

子機を複数台使用することで、建物全体の電波時計をカバーすることを可能としています。

 

・システム構成図

 

 

・子機の取付について

 子機は電波時計の裏側に取り付けます。

 ほとんどの掛け時計に対応した形とサイズになっています。

 

 

標準電波の輻射

(1)子機の標準電波の輻射

電波時計は、長波の特定周波数(40kHz、60kHz)で出力された標準電波(補足1参照)を
受信することで時刻を合わせます。
子機は、標準電波と同じ周波数(40kHz、60kHz)、かつ、同じデータ出力形式で
現在の時刻情報(タイムコード)の電波出力を行います。

(2)独自の標準電波輻射方法

①電波の波長とアンテナの関係
 本来、電波を出力する場合、一般に電波の波長λに合ったアンテナ長が必要です。  
 例えば、一般的に利用されているダイポールアンテナの場合、標準電波40kHzでは、
 3.75kmのアンテナ長となります。
 とても現実的ではないアンテナ長です。

図 40kHz出力時のダイポールアンテナの長さ

②独自アンテナ手法
 下記の内容に着目し、市販の電波時計へ正確な時刻を伝える方法を考案しました。

 ・電界ではなく、磁界で送信

 ・微弱無線局(免許不要)で運用するため、大出力は不要

 

※子機の直近に電波時計があるため、確実に時刻合わせを行うことが可能です。

 

LoRa通信技術(プライベートLoRa)

(1)LoRaとは?

LoRaとは、Long Rangeの略で長距離通信を特徴とした、Semtech社による独自の通信方式です。
Sub-GHz帯(日本は920MHz)の周波数を利用しています。
無線変調方式(LoRa変調)にチャープスペクトラム拡散変調(補足2参照)を使用し、
大きく分けて下記の特長を持っています。

※1 弊社では、IEE802.15.4の規格に準拠したプライベートLoRaを利用しています。
   この為、親機と子機の設置のみで運用を行えます。
※2 LoRaの名称および関連するロゴは、Semtech社 またはその子会社の商標です。
    Semtech、Semtech ロゴ、および LoRaは、Semtech社の登録商標です。

 

①長距離通信と高い障害物への耐性

 微弱な信号でも受信可能なため、長距離通信が行えます。
 これにより、建物等の障害物による出力が減衰した信号でも、受信可能です。
 また、利用している920MHzの周波数帯域は、他の周波数帯域による干渉を
 受けづらく、伝搬特性が高いので安定したデータ通信を行えます。
 
 ※通信距離と通信速度は、トレードオフの関係にあります。
  低い通信速度(200bps~30kbps程度)で1度に送信可能なデータが
  小さい(11byte)代わりに、1つの基地局(機器)で通信可能なエリアが
  広いことが特徴です。
  設置場所及び通信速度の条件によっては、見通し距離100kmの通信も可能な規格です。

 

②低い消費電力

  LoRaは、最小の消費電力で長距離にわたって小さなデータパケットを効率的に
 送信できるように設計されています。
 使用している変調方式により、データ送信時における消費電力の低減を図っています。
 また、通信を間欠運転とし、通信を必要とする時間帯以外は、機器を
 スリープ状態にして、さらに消費電力を下げることでバッテリー駆動を
 行うことが可能となります。
 ※バッテリーの寿命は、通信頻度と機器の駆動時間によって大きく変わります。

 

③ホップ通信

 端末間で自動ルーティング機能を備えることができます。
 これにより、例えば、親機から遠い子機が、別の子機を経由して通信を行えます。

・ホップ通信例

 

・子機1の接続が切れ、端末間を再度ルーティングした場合の例

GPS衛星から時刻を入手

(1)GPSとは

GPS(Global Posithioning System)は、上空にある複数個のGPS衛星から
の信号をGPS受信機で受取り、受信した場所の現在位置を知ることができるシステムです。


(2)GPS衛星から受信できる情報

GPS衛星から送信され、受信機が受け取れる情報は多様で、
衛星時計のデータ、エフェメリス・データ(衛星の位置を求めるために必要で、衛星が送信する自衛星の正確な軌道情報)、
電離層補正パラメータ、UTC補正パラメータ、衛星の健康情報やアルマナック・データ
(衛星を探すためのおおよその位置)等があります。
GPSの主要な用途である位置情報観測システムでは、GPS衛星から信号を受信し、
その信号を発信した時刻と受信した時刻の差から衛星までの距離を算出し、
さらに、複数(4つ)の衛星も同様に距離を算出することで、
受信機の場所を特定しています。

 

(3)なぜ、GPSから時刻を入手するのか?

GPS衛星に搭載されている時計は、非常に正確な原子時計が搭載されおり、時間の誤差がありません。
上空のGPS衛星から情報を入手するため、受信部が遮蔽されない限り比較的容易に、受信が可能です。
Internet回線によらずに、正確な時刻情報を入手可能なことから、採用をしました。

よくある質問

他社の「電波時計用リピータ」と「電波時計レピータ」との違いは?
元の英語は同じ「Repeater for radio clock」であり、日本語標記の違いだけです。
日本では、電気通信における中継器のことを「リピータ」と標記しますが、特に無線通信における中継局は「レピータ」と標記します。
一般的な「電波時計用リピータ」は、設置場所から半径10m程度の範囲の電波時計に対し、標準電波を発信して時刻を合せます。
開発中の電波時計レピータは、LPWA通信を利用することで、ビル丸ごとを1台の親機でカバーできます。
(特許出願手続き中)
いつごろから販売しますか?どこで買えますか?
電波時計レピータは、現在開発中で2021年末か2022年の初頭に販売開始予定です。
電波時計レピータの販売方法は未定です。開発が順調に完了し販売方法が決まりましたら、改めて連絡しますので、右上の「お問い合わせ」から「電波時計レピータが販売されたら教えて欲しい」と記載し、連絡先を送信してください。
子機は何台付属しますか?何台まで連動出来ますか?
電波時計レピータの基本セットは、親機1台+子機1台での販売となります。子機は最大で16台まで連動出来ます。
LPWAや長波送信技術を応用して、自社製品の改善や開発の相談に乗って欲しい。
日本電波は、OEM/ODMも得意です。まずは、右上の「お問い合わせ」から連絡をお願いします。
海外で使えますか?
電波時計レピータで利用する標準電波は日本国内向けのものを利用していますので、 日本国内でのみ使用可能な製品です。 中継用のLPWA電波も含み日本の電波法の範囲内で製品化しています。 但し、規制化学物質の「欧州RoHs指令」には適合しています。
製造は日本ですか?
はい。東京の大田区で製造しています。日本電波では高速チップマウンタを保有し、自社で電子基板の製造が可能です。製造委託なども受け付けますので右上の「お問い合わせ」から相談してください。

 

補足

1.標準電波とは?

標準電波は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)によって運用されており、
全国に送信所は2か所あります。

※上記の地図は、図示の為に簡略化したものであり、正確な地図ではありません。

 

2.チャープスペクトラム拡散変調とは?

チャープスペクトラム拡散変調とは、微小な放射電力しか必要とせず(電磁界が弱い)、
電磁干渉の強い防止性を持つ方法として利用されています。
この変調方式は、「振幅変調」、「周波数変調」、「位相変調」を組み合わせています。
変調方式を組み合わせて、「送信出力の調整」、「利用可能な周波数バンドへ周波数
を拡散」することで、電磁干渉の耐性を確保しています。